(帯に縫い付けられる前のループになります。もとはこんなに長いのです。)

  
ちょっと間が空いてしまったのですが、今回は試作縫製の15回目として、
組み立て工程のループ付け工程について説明していきます。

まず、パーツの説明についてですが、「ベルト通し」のことを業界ではループと呼びます。

こちらのパーツになります。

 


 
輪っか状に縫い付けているので、輪っか=ループと呼ばれています。

わかりづらいですが、矢印のところに4箇所、水平方向に直線で縫い留めています。
番号は縫製される順に付けられています。

縫いの長さはループの巾によるのですが、概ねループの巾+1~2mm、
今回のループの巾は10mmなので、11~12mmの長さで縫い付けております。

そのループ付けをおこなう際、当社で使用しているのは
オートベルターという自動ループ付けミシンになります。
 

 
ハムス社製MOL-3030Lというミシンです。

実はこのミシン、トラウザーズ(スラックス)工場には欠かせない自動ミシンなのです。

その特徴はと言うと、

1.ループ付け位置の高さを固定できる。
2.ループの長さを指定の長さでカットしてくれる。
3.カットしたループにつなぎ目があった場合は自動検知して排除してくれる。
4.一回のセットで4か所の縫製箇所の内、3か所を自動で縫ってくれる。

早くて正確、本当に優れものなのです。

写真を大きくして見ると、ループ付け位置の高さを固定するための位置決めマーカーループの長さを定尺でカットして供給してくれる装置がなんとなくわかるかもしれません。
 

 
このミシンで縫い上げた状態がこちらになります。
 

 
また一歩、トラウザーズ(スラックス)らしくなってきましたね。

その後、帯が浮かないよう、内側の腰裏(こしうら)というパーツと前身頃(まえみごろ)、後身頃(うしろみごろ)の帯び付け部分の縫い代をすくい縫いしていきます。
 

 
写真では矢印の2箇所しか写っていませんが、トラウザーズ(スラックス)の全周をすくい縫いしていきます。

ちなみに当社では米国Treasure(トレジャー)社製のM80というすくい縫いミシンを使用しています。
 

 
最後にベルト通し(ループ)の4箇所目の縫製を線カンドメミシンでおこないます。

当社ではJUKI社製のLK-1852という線カンドメミシンを使用します。
 

 
ループ付け工程まで完了した状態がこちらです。
 

 
次回は組み立て工程の最後まで説明していきたいと思います。

ここに来てくれた方にいいことがありますように。