(CALSA(カルサ)の織りネーム)
 
CALSA(カルサ)のロゴが決まってから、下げ札と織りネーム、洗濯絵表示が完成しました。
今回は「織ネーム」についてお話ししていきます。

織りネームにはいろんな織り方がありますが、大きくは3つに分かれます。
「平織り」、「綾織り」、「朱子織」の3種類です。(大まかには生地の織り方と同じです。)

1.「平織り」(バティスト)(プレイン ウィーブ)
 

 
平織りとはタテ糸とヨコ糸が交互に規則的に交差した織り方です。

交差する糸の本数を1本ずつ交差したり、2本ずつ、3本ずつと増やしたりすることで、
ブランドのイメージやデザインに合わせて、最適な本数を設定するそうです。

糸の交差する回数が綾織など他の織り方と比較すると多いため、
ちょっとざらざらした硬い風合いが特徴です。

主にカジュアル向けのブランドに多く採用されているようです。

2.「綾織り」(ツイル)
 

 
綾織りとはタテ糸とヨコ糸が交互に交差することがなく、交差したら次は1本飛ばしで交差させる1×2という交差方法やさらにもう1本飛ばして交差させる1×3という交差方法の織り方です。

特徴としては交互に交差しない分だけネーム地の厚みが薄くなり、平織よりもネーム地を柔らかくすることができます。
しかし、タテ糸とヨコ糸の糸目が斜めに出てくることにより、ネーム自体に斜紋線(斜めの織線)が現れるので、それをデザインとして受け入れられればいいのですが、そうでなければ採用はしづらい織り方です。

3.「朱子織」(サテン)
 

 
朱子織は繻子織(しゅすおり)と書くこともあります。
タテ糸数本ごとにヨコ糸が1本交差し、それがヨコ糸を通すたびに数列ずれていく感じです。
タテ糸がネーム地の表面に多く出てくる織り方です。

特徴としては、タテ糸を表面に多く出ることから光沢を出したい時に多く使われます。
また、使用する糸の本数も多いため、細かい文字やデザインの再現にも適しています。
ただし、摩耗には弱い面もあります。

こちらの発展形で「裏朱子織」という織り方もあります。
タテ糸とヨコ糸の出方を反対にした織り方ですが、朱子織では表現できない色を表現できる場合がありますが、文字周辺の組織が乱れやすいので、配色によっては、文字が読みづらくなることがあり、特に小さい文字にはちょっと不向きのようです。

「平織り」、「綾織り」、「朱子織り」の3種類の織り方があるのですが、それに合わせて、タテ糸、ヨコ糸の糸の太さや種類を変えたり、打ち込みの回数を変えたり、織機を変えたりすることによっていろいろなバリエーションが生まれているのです。

ちなみに「打ち込み」とは1インチ当たりどれくらいの回数の糸を織り込んだかということを表しています。

通常は1インチ当たり30~40回で、高密度織は50~60回と言われています。
CALSAの織りネームは高密度織のさらに上をいくグランドハイデン(グランド ハイデンシティ)と呼ばれる超高密度織で織られており、80~90回の打ち込み回数で織られています。

表地の生地にはもちろん触れてほしいのですが、CALSAの織りネームにもちょっと触ってみてほしいと思っています。光沢や滑らかな触り心地を感じていただけるはずです。

織機については、主に「シャトル織機」と「レピア織機」の2種類があります。

シャトル織機(shuttle looms)は「シャトル」または「杼(ひ)」と呼ばれる道具にヨコ糸を取り付け、その「シャトル」が左右に往復しながら織り込んでいく織機です。
左右の端でヨコ糸を折り返すため、切り口が無く肌に触れても痛くない耳付きの織ネームに仕上ります。よって、ヒートカットなどの後処理も必要ありません。
ただし、レピア織機に比べ織り幅や使用する色糸の数、打ち込み回数に制限があります。

レピア織機(rapier looms)は左右に「レピア」と呼ばれる「剣」のようなものがあり、左の「レピア(剣)」と右の「レピア(剣)」が中央でヨコ糸をキャッチボールしながら糸を織り込んでいく織機です。
シャトル織機に比べ、高速で織ることができ、織り幅も自由に決めることができます。
また、使用する糸の色数も12色まで増やすことができます。

織ネームの端がギザギザになるので、ヒートカットの後処理をするか、もしくは予め端を少し折り曲げて縫い付けるときに表に出ないようにする処理が必要です。

CALSAの織りネームはレピア織機にて織られています。
高密度織にはレピア織機の方が優れているようです。

長くなったので、今回はここまでです。
次回は下げ札、洗濯絵表示についてお話していきます。

ここに来てくれた方にいいことがありますように。