(『スラックス』の原型?)
今回はパンツ編の【其ノ弐】です。
日本での『表着のパンツ』を表す言葉で最もポピュラーなものって何でしょう?
男性用、しかもちょっとフォーマルな感じのもの、となると、
『スラックス』
という言葉を思い浮かべる方も多いのではないのでしょうか?
しかし、この『スラックス』という言葉、もともとは米国で使われていた言葉、
現在、米国では日本でいう洋服のスラックスの意味としてはとしてはほとんど使われていないのです。
米国人に、『My Slacks is ...』なんて言うと、最近ではビジネスチャットサービスの「Slack」のことだと思われ、
洋服の話をしようとしても、うまく通じないかもしれません。
(2020年12月に「Slack」を手掛ける米スラック・テクノロジーズを277億ドル(約2.9兆円)で
米国のソフトウエア大手のセールスフォース・ドットコムが買収したというニュースがありましたが、
このあたりには本当に疎いので、どういう話なのか全く理解できないていないです。時代は進んでいます。)
もともとの『Slack』の意味は『だぶだぶの、ゆるんだ』という意味で、
軍隊用語として『(Slacks=)だぶだぶした袋状のズボン』のことを差していたらしいのですが、
1930年代にそれが一般的に『ズボン』として使われるようになったようです。
しかし次第にその言い方も薄れ、現在ではもう死語になってしまったとか。
米国から日本への言葉の遺産みたいなものですかね。
では、現在、米国ではなんと言っているかというと、『パンツ(Pants)』です。
(『トラウザーズ(Trousers)』でも通じますが、『パンツ(Pants)』の方が一般的なようです。)
ちなみに英国でも『トラウザーズ(Trousers)』 です。
(CALSA(カルサ)も『トラウザーズ(Trousers)』を採用しています。)
フランスでは『パンタロン(Pantalon)』、
イタリアでは『パンタローネ(Pantalone)』、
ドイツでは『ホーゼン(Hosen)』、
そしてスペインでは『パンタロネス(Pantalones)』と言うそうです。
そこで『パンタロン』にちょっと反応したあなた、おそらく同年代の方ではないかと
ちょっと親近感を覚えてしまいますが、
(『パンタロン』といえば、サタデーナイトフィーバーのジョントラボルタ!と思って写真を探してみたのですが、
実際、見るとそうでもなかったです。)
日本では1960年代中頃に入ってきた言葉なのですが、どこでどう間違った
のか、当時流行の最先端だった『裾広がり』のパンツを日本では『パンタロン』
だと思い込んでしまったのです。
本国フランスでは『パンツ』全体を指す言葉なのに...。
では、フランスでは『裾広がりのパンツ』をなんと言うのか?
ちょっと疑問に思って、Wikiで調べてみたのですが、どうやら、
「Pantalon à pattes d’éléphant」
読み方は全くわかりません。どうやら「象の足ズボン」という意味らしいです。
縮めて、「pattes d’eph’」と呼ぶ人もいるそうですが、こちも読み方不明です。
ちなみに英語では、
『ベルボトムパンツ(Bell-bottom Pants)』、『フレアードパンツ(Flared
Pants)』と言います。
日本でもこの呼び方は定着していますよね。
パンツ編、もう少し続きます。
ここに来てくれた方にいいことがありますように。
本サイト → CALSA(カルサ)長崎トラウザーズ