試作縫製をおこなってからも色々な修正をおこないました。
今回はそれらをまとめてみました。

1.脚長ステッチ仕様
 

 
フロント部分に入るステッチを「前立てステッチ」と呼びます。上の写真で見えている「前立てステッチ」は実は飾りのステッチになります。

目立たなくしているので目立たないのは当たり前なのですが、飾りの「前立てステッチ」の下にもう一本、見えにくい「AMFステッチ」を入れています。

こちらの「AMFステッチ」は手縫いに近いステッチでCALSAの脇ポケットにも採用されているステッチですが、脇ポケットのステッチよりさらに表に出る糸目の間隔を短くして、目立たなくしています。

「前立てステッチ」が短いと股上が浅く見え、脚長効果が得られることに着目した当社オリジナルの仕様です。

非常に手間がかかる仕様ですが、少しでも足を長く見せたいという自分の欲求を満たすために開発した仕様です。必要は発明の母みたいな感じです。

ここだけの話、小用を足す時にトラウザーズ(スラックス)をずり下げるのが面倒な男性方に非常に喜んでいただいております。

脚長ラインが強調され、より美しいスマートなラインを作り上げます。

 

2.後ろポケットをスラントポケット仕様に変更
 

 
後ろポケットの傾きを「平行」から「斜め(スラント)」に変更しました。
お尻の中心側が高くなるため、お尻が高く見え、足が長く見える効果があります。

また、後ポケットに入れたものの出し入れがやりやすい(手を出し入れしやすい)という利点もあります。

ここでもう一度、ポケット口をもう一度、良く見てみてください。
ポケット口(ぐち)が「長方形」ではなく、「平行四辺形」になっているのがわかりますでしょうか。

ちょっとしたことですが、この「平行四辺形」にすることで、ポケット口(ぐち)の端が垂直になり、スッキリとした印象になります。

こちらも手間を掛けています。

 

4.尻V字スリットと浮かしループ
 

 
尻V字スリットはヒップ部分にスリット(開き)を設けることで「遊び」ができ、腰回りにゆとりを生みます。
食事をしてちょっとお腹が大きくなった時のキツい感じを少しだけ解消してくれます。

また、浮かしループはヒップ部分にスリットを設けると通常、尻中心にはループ(ベルト通し)を付けられなくなりますが、ループを浮かせて付けることで、ヒップ部分(ウエストの後ろ部分)のベルト下がりを防ぎます。

その他、パターンの修正を何度もおこなったり、帯芯の材質を変更したりといろいろとやっております。
けっこうバージョンアップしました。

ところで、お気づきの方もいらっしゃるかとは思いますが、今回の写真は今までのものに比べ、格段にキレイになっております。もちろん、キレイなのには訳があります。
そのあたりもおいおいお話ししていきます。

ここに来てくれた方にいいことがありますように。