(ベルトのバックルについているピンの名称ってわかりますか?)
前回、試作縫製のパーツ工程の最終回とお話していたのですが、
一つ忘れてました。
すみません。
よって、今回は手短に。
それは「ピンループ」の作り方についてです。
「ピンループ」って何?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
製品として出来上がった時の状態はこれです。
これはもしかして、ロッカーのお兄さんとかが、
財布に付けたチェーンをジャラジャラさせながら
トラウザーズ(スラックス)に引っ掛けるための例のあれか!
と思われた方、残念ながら、不正解です。
(まぁ、そういう使い方もできなくはないですが・・・)
実は、このような使い方をします。
バックルのピンをループの中に通して、
通常通りのベルト掛けをおこないます。
すると、バックルのピンが固定されて、
ベルトが上下左右にスライドすることなく、
常にバックルをお腹の中心に留めることができるのです。
ベルトをしてしまうと全く見えなくなってしまいますが、
いちおう、こんな感じです。
特に上質な革のベルトなどは裏面もツルツルしていて
滑りやすいものが多いですよね。
めんどくさくて、別に使わないという方もいらっしゃいますが、
使わないなら使わないで着用に支障もありませんし、
邪魔になるものでもないので、当社のトラウザーズ(スラックス)には
さりげなく付けようと思います。
ちなみにベルトのバックルに付けられているピンの正式名称は
「ツク棒」だそうです。
ちなみにちなみに、「ピンループ」は、
「チー」や「プロングループ」とも呼ばれます。
それでは、「ピンループ」の作り方についてですが、
まずは裁断された状態ではこのような形状をしています。
そちらをループと同様に専用のラッパに通しながら、
縫い流します。
出来上がったものをアイロンし、
5.0cmの長さにカットします。
そちらを輪っか状に、ミシンで留めたものがこちらです。
あとは組み立て工程の際に、上前(うわまえ)(左側)の
前身頃(まえみごろ)に仮縫い止めをおこない、
帯び付け工程の際にしっかりと縫い付けていきます。
そちらの工程については、試作縫製の組み立て工程にて説明していきます。
それでは今回はこのあたりで。
ここに来てくれた方にいいことがありますように。