(実はトラウザーズの部位の中にもピストル由来の名称が潜んでいるのです!)
 

今回は試作縫製の第10回目として、
後身頃(うしろみごろ)工程について、お話ししていきます。

前身頃(まえみごろ)工程でもお話ししましたが、後身頃(うしろみごろ)工程
「トラウザーズ(スラックス)試作縫製(1)(オーバーロック工程)」
お話ししたように、まずはほつれやすいところに全てオーバーロックと
いうかがり縫いをおこないます。

ちょっとわかりづらいですが、こちらが後身頃(うしろみごろ)
オーバーロックを掛けた状態です。
 


 
つぎに、後身頃(うしろみごろ)工程ではお尻の丸みを出すために、
ダーツというつまみ縫いをおこないます。
 

 
チャコ入れしているところが、ダーツのつまみ代(しろ)、それとポケット位置も
予めチャコ入れしておきます。

ウエストに対してヒップの出方が大きい、俗にいう「出尻(でじり)」の場合は、
ダーツ量を多く取り、ヒップの出方が小さい「平尻(ひらじり)」の場合は
ダーツ量を少なく取ります。

こちらは実際にダーツを入れた状態です。
 

 
ダーツを入れた後は、ポケット位置の裏側に補強用のテープを貼りつけます。
これは、ポケット作りの工程で、後身頃にハサミを入れるため、その部分から、
生地がほつれたり、裂けたりするのを防止する役目があります。
 

 
つぎに後身頃(うしろみごろ)に後(うしろ)ポケットを付けていきます。
ちなみに業界では、ピスポケットという呼び方をします。

ちょっと物騒(ぶっそう)ですが、ピストルを入れるポケットというのが
語源だそうです。

話を戻して、当社ではJUKI社製のAPW-895という
自動玉縁ミシンを使用しています。
 

 
こちらは、ポケット作りにおける4つのステップ、

1.ポケット袋地の位置合わせ
2.口布(くちぬの)というパーツの折り曲げ
3.口布(くちぬの)パーツと後身頃(うしろみごろ)、ポケット袋地の重ね縫い
4.口布(くちぬの)、後身頃(うしろみごろ)、ポケット袋地へのハサミ入れ

を一度にこなしてしまう優れものです。

ちょっとわかりづらいのですが、このように3つの生地が
重なっています。
 

 
一番上の生地が口布(くちぬの)、真ん中が後身頃(うしろみごろ)、
一番下がポケット袋地になります。

こちらの一番上の口布(くちぬの)を折り曲げながら、縫い上げていきます。

縫い上がり後はこのような状態になります。
 

 
一番上のパーツ、口布(くちぬの)が折り曲げられて、縫われているのが
わかりますでしょうか?

ステッチが見えている方が下側のステッチで、もう一本後ろ側に
上側のステッチが隠れています。

自動玉縁ミシンはこの2本のステッチを同時に入れていきます。

こちらの口布(くちぬの)を裏側にひっくり返して、表からアイロン掛けをします。
 

 
表からの出来上がりはこのようになります。
見たことあるカタチになってきませんでしたか?
 

 
裏側から見るとこのようになります。
 

 
今回の試作ではポケット地も表地(おもてじ)を使用しているため
わかりづらいと思いますが、

裏側から見ると、一番上の生地が、ポケット袋地の内側にあたる部分になります。

わかりやすくするためこちらをご覧ください。
 

 
ポケット袋地の内側部分のAとA’およびBとB’がそれぞれ
背中合わせになるように半分に折り、点線部分を縫い合わせていきます。

そうするとこのような状態になります。
 

 
そちらをひっくり返すとこのような状態になります。
 

 
これでようやく、ポケットっぽくなってきましたね。

こちらをポケット口とポケット袋地がずれないように、止め縫いをおこない、
袋飾りのステッチを入れるとこのようになります。
 

 
これで後身頃(うしろみごろ)の完成です。

表から見るとこのような仕上がりになります。
 

 
次回からはいよいよ前身頃(まえみごろ)
後身頃(うしろみごろ)をつなげていきます。

それでは、また、次回。

ここに来てくれた方にいいことがありますように。