(う~ら〜、お〜も〜て? こちらの縫い目は表側、それとも裏側?)
試作裁断からしばらく間が空いてしまったのですが、
これから試作縫製について書いていきたいと思います。
裁断されたトラウザーズ(スラックス)はまず最初に、オーバーロック工程にて
必要箇所にオーバーロック縫いをおこないます。
オーバーロック縫いって何?ということになると思いますが、
オーバーロック縫いとはかがり縫いのことになります。
写真で見るとこんな感じです。
オーバーロックの縫い目にはいろんな種類があるのですが、
当社のオーバーロックの縫い目は3本糸でのかがり縫いとなります。
こちらが紳士服では最も一般的な縫い目になります。
つまり、オーバーロックとは生地端のほつれ止めをおこなうための縫製となります。
裁断された生地の端のことを裁ち切り(たちきり)というのですが、表側に見えるほぼ全ての裁ち切り(たちきり)にこの工程をおこないます。
ちなみに、カジュアル衣料の場合は、2本糸のオーバーロックを
使っているところが多いようです。
ニット系衣料にはインターロックという縫い目が
主に用いられます。
インターロックは2つの生地を
重ねてかがり縫いをおこなうと同時に、ステッチ縫いもおこなう
縫製方法となります。
(ニットは織物ではなく、編み物なので余計にほつれやすいため、
基本的にはすべての生地端にかがり縫いが必要です。)
ちなみにこちらが表側の縫い目です。
こちらが裏側の縫い目になります。
違いが分かりますか? 三角形の縫い目が続いているものが表側の縫い目、
棒状に縫い目が並んでいるものが裏側の縫い目になります。
ちょっとわかりづらいと思いますが、
オーバーロックを掛けた全体写真がこちらです。
前身頃
後身頃
附属(パーツ)
前身頃には前回説明した膝当て(ひざあて)という裏地が付けられています。
基本的には当社のトラウザーズ(スラックス)の場合、
実際の表地の肌触りを感じてほしいという観点から
膝当て(ひざあて)を付けなくていいいものには付けないようにしています。
しかしながら、生地が薄くて透けやすかったり、
実際に着用した際に太ももがチクチクする素材の場合は膝当て(ひざあて)を付けていく予定です。
最後にこちらはオーバーロックを実際にやっている様子です。
糸立ては4本ありますが、実際に使われているのは3本の糸です。
それではまた、次回。
ここに来てくれた方にいいことがありますように。